子曰はく、黙(もく)して之(これ)を識(しる)し、学(まな)んで厭(あ)かず、人(ひと)を誨(をし)へて倦(う)まず、何(いづ)れか我(われ)に有(あ)らんや。
(訳)事物の道理を聞いて、これを口に出さないで心のうちに留めておいて忘れないこと、学を好んで厭(あ)かないこと、人を誨(おし)えて倦(う)まないこと、わしは自ら反省してみるのに、この三つのうちいずれも出来てはいないのである。
著者の解説では、識(しる)すのはすでに悟り得たものを識すのである。学ぶのはまだ悟り得ないものを学ぶのである。誨(おし)えるのは人が我と同じく悟り得ることを欲するのである。と書かれていました。
孔子が、どのように門人たちに物事を教えていたのかが窺われる章だと思いました。


