まず太字の部分を列挙します。
①人の頼みを断れない「好かれたい病」の正体
②「囚人のジレンマ競技会」で勝利をおさめたのは?
③遺伝子が生き残ったのは「しっぺ返し戦略」のおかげ
④これからはどんな依頼も「五秒」で決断する
内容を細かく見ていきましょう。
①人の頼みを断れない「好かれたい病」の正体
なぜ血のつながらない仲間に対しても、見返りなしに仲間の利益になるような行動をとるのだろう?どうしてチンパンジーは自分で獲物を独り占めしないで仲間たちに分け与えるのだろう?・・・この研究が、私たちの「好かれたい病」の原因を教えてくれる。
②「囚人のジレンマ競技会」で勝利をおさめたのは?
共同で犯罪を行なった二人の容疑者を、意思疎通ができないよう別々の部屋に入れ、個別に次のような司法取引を持ちかける。
(a)ひとりが自白し、もうひとりが自白しない場合、自白したほうは釈放、自白しないほうは懲役10年。
(b)二人とも自白しなければ懲役2年。
(c)二人とも自白した場合は懲役5年。ゲームは無期限で、容疑者はゲームの回数を知らされないまま、順番にどれかを選択しつづける。
勝利をおさめたのは、「しっぺ返し」と呼ばれる戦略だった。
一手目は相手と協調し、それ以降はしっぺ返しの要領で相手の出した手をそのままコピーして返すという、とても単純な戦略である。
③遺伝子が生き残ったのは「しっぺ返し戦略」のおかげ
チンパンジーは、次にその仲間がお返しに獲物を分け与えてくれるのを期待して、自分の獲物を分け与えているのだ。この行動パターンは、進化の過程で自然淘汰された結果、残った。「しっぺ返し戦略」を行わなかった仲間は、遺伝子を残すことができなかった。
世界経済が機能するのも、「しっぺ返し戦略」のおかげといえる。私たちは毎日、血のつながりのない大勢の人たちと協力し合って、生活を豊かにするという共通目標に向けて活動している。
④これからはどんな依頼も「五秒」で決断する
頼みごとをつい引き受けてしまうのは、生き物の本能的な反応なのだ。
「すばらしい何かが見つかる機会なんて、そうそうあるものじゃない。だから、頼みごとの90パーセントを断ったとしても、チャンスを逃したことになんてまずならない。」
頼みごとをされた時には、その無理な要求を検討する時間は、きっかり五秒間で決断することにした。
人でなしのような気もするけれど、ロルフさんはこの様にしているとのことでした。