子曰はく、「孟之反(もうしはん)伐(ほこ)らず、奔(はし)りて殿(でん)す。将(まさ)に門(もん)に入(い)らんとす。其(そ)の馬(うま)に策(むち)うちて曰(い)はく、『敢(あ)へて後(おく)れたるにあらず。馬(うま)進(すす)まざるなり。』と」
(訳)人は功(こう)に伐(ほこ)り易(やす)い者であるが、孟之反(もうしはん)は功があっても伐(ほこ)らなかった。戦いの敗(やぶ)れた時は軍の後ろにいて敵を防ぎながら引上げるのを功とするのであるが、孟之反は魯(ろ)の軍が敗走した時、自ら殿(しんがり)となって、敵の追撃を防いで、味方を守りながら引上げ、将(まさ)に魯の城門へ入ろうとする時、己(おのれ)の乗ってる馬を鞭(むち)で打って、「吾(われ)は殿(しんがり)をしたのではない。この馬が進まなかったのだ。」といって、少しも己の功に誇らなかった。
著者の解説では、中国北宋時代の儒学者である謝良佐の言葉を引用して「人が能(よ)く他人よりえらくなろうとする心をなくするならば、私慾(しよく)は日に消えて正道(せいどう)が日に明らかになるから、おごりたかぶる事などはなくなる。学問して己(おのれ)を修めることを知らない者は常に他人よりえらくなろうとする心を忘れる時がない。孟之反(もうしはん)のごときは手本としてよい人である。」と書かれていました。
孟之反(もうしはん)のように、自分の功績を他人に誇らないようにしようと思いました。
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