アキヒロ号のブログ
akihiro-go blog
本の紹介

公冶長第五(20)

子曰はく、「甯武士(ねいぶし)、邦(くに)(みち)あれば則(すなは)ち知(ち)。邦(くに)(みち)なければ則(すなは)ち愚(ぐ)。其(そ)の知(ち)には及(およ)ぶべし。其(そ)の愚(ぐ)には及(およ)ぶべからず。」

(訳)甯武士(ねいぶし)は、君は明らかに臣は良く国家無事の時に仕うべき時を見て仕える知者である。外国からは攻められ国内は乱れているような時には利口(りこう)な人は退(しりぞ)いて身の安全をはかるのに、甯武士は世の乱れを避けずに、心を竭(つ)くし力を尽(つ)くして君を済(すく)い身を全(まっと)うする。そのやり方はまるで己(おのれ)の利害を知らぬ愚人(ぐじん)である。その知者である所は誰(だれ)にも出来るけれども、愚人である所は誰にもまねができない。

著者の解説では、この章は甯武士(ねいぶし)が能(よ)く有道(ゆうどう)無道(むどう)の世に処(しょ)したことを称美した。と書かれていました。

うまくいっているときに能力を発揮することは誰でもできますが、自分の利害を棄てて危機的な状況を救おうとする姿は真似できるものではないと思います。甯武士(ねいぶし)が称美されるのが分かりました。

論語新釈 (講談社学術文庫) [ 宇野 哲人 ]

価格:2233円
(2025/8/10 16:58時点)
感想(2件)