子曰はく、人の己(おのれ)を知らざるを患(うれ)へず。人を知らざるを患(うれ)ふ。
(訳)君子の学は己の人格を完成することをつとめるのである。他人が知っても知らなくても、己を損益することはないのであるから、他人が己を知らなくても憂慮(ゆうりょ)はしない。ただ人を知らないことを憂慮する。人を知らなければ、善を取って悪を去り、正(せい)に従って邪(じゃ)に遠ざかることができないからである。
著者の解説では、世には売名に苦心する人があるが、君子の己のためにする学の取らざる所である。と書かれていました。
患う、とは心配すること。人を知るとは人の善悪邪正(ぜんあくじゃしょう)を知ることです。善悪邪正とは「道徳的価値観において、行為や事柄を総合的に判断する言葉」です。自分中心で物事を考えず、周囲の人たちのことに関心を持つようにしようと思いました。