アキヒロ号のブログ
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本の紹介

学而第一(1)

(し)(い)はく、学んで時に之(これ)を習(なら)ふ、亦(また)(よろこ)ばしからずや。朋(とも)あり遠方より来(きた)る、亦(また)(たの)しからずや。人知らず、而(しかう)して慍(いか)らず、亦(また)君子(くんし)ならずや。

(訳)先覚者に従って聖賢の道を学び、絶えずこれを復習して熟達するようにする。そうすると、智が開け道が明らかになって、ちょうど今まで浮くこともできなかった者がたちまち泳げるようになったようなものであるから、誠に喜ばしいではないか。己の学問が成就すると、己と同じく道に志す人たちが、近い処はいうに及ばず、遠い処からまでも訪ねて来て、己を師と仰いで教えを請うようになる。こうなれば、己の学び得た所を広く人に伝えて人と共に善に帰することができるのであるから、なんと楽しいことではないか。学問はもと己の人格を完成するためにするのであるから、己の学問の成就したことを人が知らなくても、泰然自若として、少しも不平らしい心を起こさない。このように、もっぱら道を楽しんで、境遇の如何によって心を動かさないのは、誠に理想的の人格者では無いか。

著者の解説では、「古の学問は人格の完成を目的としたもので、ここに学問というのは知ることと行うこととを兼ねていうのである」と書かれており、現在の学問の定義とは少し異なっていることが分かりました。

ここでは、事務的なことや技術的なことを極める中で、仲間を増やし、成熟していくことが物事の理想だと言うことを学びました。

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