「倍音(ばいおん)」という言葉を聞いたことはありますか?音楽や楽器、声楽に関わる人にとって重要な概念ですが、ふつうの人はあまり馴染みがないかもしれません。

実は、私たちが耳にしているあらゆる音には倍音が含まれています。倍音の含まれ方によって、音色の美しさや特徴が決まるのです。

今回は、倍音が何なのか、初心者にもわかりやすく解説します。

1. 倍音とは何か?

倍音のシンプルなおさらい

倍音とは、ある音を鳴らした時に自然に発生する音です 。

例えば、「ド」の音を出しても、実はその音だけでなく、同時にたくさんの違う音が鳴っているんです。それが倍音です 。

用語説明
基音(きおん)実際に弾いた・出した音(1番下の音)
倍音基音と一緒に自然に発生する高い音 
第2倍音・第3倍音… 基音から下へ順に名付けられる 

自然界では「倍音を含まない基音だけの音」というのは存在しません 。聴力検査で聞く「ピー」とか「ボー」という音くらいしかありません 。

2. 倍音の仕組み

整数倍の周波数で鳴る

倍音は、基音の周波数の 2 倍、3 倍、4 倍…と整数倍の振動数で発生します 。

例えば、100Hz の音を弾いたとしましょう。100Hz とは、空気を 1 秒間に 100 回振動しているという意味です。そうすると、200Hz・300Hz・400Hz の音も同時に発生しているのです 。これが倍音が発生する仕組みです。

ピアノの「ド」の例

ピアノの C1(ド)の音を鳴らした時に出る倍音は、以下の通りです 。

順序名前
1番目基音
2番目第 2 倍音ド(高い)
3番目第 3 倍音
4番目第 4 倍音
5番目第 5 倍音
6番目第 6 倍音
7番目第 7 倍音シ♭
8番目第 8 倍音

左から基音→第 2 倍音→第 3 倍音〜と数えて、第 32 倍音まであります 。

結構びっくりしませんか? 一つの音(ド)を鳴らしただけで、ド・ミ・ソの C コードの構成音が含まれているんです 。

すべての倍音が同じように聞こえるわけではありません。倍音によって強く聞こえたり、弱く聞こえたりします 。また聞こえてくるタイミングも異なります 。

特に第 3 倍音の「ソ」、第 5 倍音の「ミ」は聞こえやすいです 。

3. 倍音の重要性

音色を決める重要な要素

同じ高さの音でも、楽器やものの材質によって音色が異なるのは、倍音の含まれ方が異なるからです 。

楽器倍音の特徴
ピアノ基音が最も大きく、次に第 2 倍音が響く 
オルガン倍音成分を組み合わせて音を作る楽器 

私たちが楽器の演奏音を聞く際はこの倍音も含めて聞いています 。聞いていて心地が良いか悪いかはこの倍音の含まれ方によって大きく左右されるのです 。

音楽演奏における倍音の役割

倍音は音楽演奏において非常に重要な役割を果たしています 。

  • オーケストラの演奏:様々な楽器から出る倍音が重なり合って音が届く
  • 標準的な楽器:整数倍音がふくまれていることが多い
  • 共鳴・響き:声の響きを作る仕組み

5. まとめ

ポイントの復習

  • 倍音とは、ある音を鳴らした時に自然に発生する音
  • 実際に弾いた音(1 番下の音)
  • なる倍音は下から順に「第一倍音・第二倍音…」と呼ぶ
  • 倍音によって強く聞こえたり、弱く聞こえたりする
  • 同じ高さでも楽器によって音色が違うのは、倍音の含まれ方が違うから

倍音を意識して音楽を聴く

一般的に多くの楽器演奏音に含まれる倍音は整数倍音がふくまれていることが多いようです 。

今後は、そういった点を意識しながら演奏音を聴くとより深い鑑賞を楽しめます 。