子曰はく、君子(くんし)は徳(とく)を懐(おも)ひ、小人(しょうじん)は土(ど)を懐(おも)ふ。君子(くんし)は刑(けい)を懐(おも)ひ、小人(しょうじん)は恵(けい)を懐(おも)ふ。
(訳)君子は心の徳を存することを思って最高の善に到達(とうたつ)しようとし、小人(しょうじん)は心身の安楽(あんらく)なところを思ってこれに溺(おぼ)れる。君子は刑の畏(おそ)るべきことを思って自らその身を守り、小人は利(り)の欲すべきを見てこれを貪(むさぼ)る。
著者の解説では、この章は君子と小人(しょうじん)との懐(おも)うところの異なるを述べて、人は懐うところを慎(つつし)むべきことを欲した、と書かれていました。
刑(けい)とは、国憲国法のことで、恵(けい)とは、物質的な利益のことです。自分自身がどう道徳的に行動し、礼儀に則っているかを考え、自分にとってメリットがあるのかどうかは、あまり考えないようにしようと思いました。


