孟武伯(もうぶはく)孝(こう)を問(と)ふ。父母(ふぼ)は唯(ただ)其(そ)の疾(やまひ)をこれ憂(うれ)ふ。
(訳)孟武伯が父母に孝を尽くす道を問うた。孔子が曰われるには「父母は何事につけても子の身の上を心配するものでありますが、そのうちでもただ子が病気になりはせぬかという心配は常に絶える時はありません。」
著者の解説では、子たる者は、父母のこの心を体(たい)して、一挙一動を謹(つつし)んで父母を心配させないようにするならば、孝といわれるのである。と書かれていました。
孟武伯は孟懿子の子だそうで、魯の貴族です。魯で生まれ育った孔子は、36歳の時に国の内乱によって斉に亡命するまでの間、魯の役人として勤めていました。自らが健康で生活することが、親孝行なのだと分かりました。