アキヒロ号のブログ
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本の紹介

泰伯第八(5)

曾子(そうし)(い)はく、能(のう)を以(もっ)て不能(ふのう)に問(と)ひ、多(おほ)きを以(もっ)て寡(すく)なきに問(と)ひ、有(あ)れども無(な)きが若(ごと)く、実(み)つれども虚(むな)しきが若(ごと)く、犯(おか)せども校(はか)らず。むかし、吾(わ)が友(とも)、嘗(かつ)て事(こと)に斯(ここ)に従(したが)へり。

(訳)己(おのれ)は才能がありながら、まだ足(た)りないと思って才能のない人に問うてこれを補(おぎな)おうとし、己は見聞(けんぶん)が多いのに、まだ足りないと思って見聞の少ない人に問うてこれを補おうとし、道理を悟(さと)っていながら、何(なに)も知らない者のように思い、徳が充実していながら、空虚(くうきょ)であるように思い、他人から道に外(はず)れた事をされても、彼我(ひが)の曲直(きょくちょく)を比(くら)べてこれを争うようなことはない。このような事は外物(がいぶつ)と我との差別を忘れてその徳が広大(こうだい)の人でなければできないことであるが、むかしわが友にこのような事を勉(つと)め行った人があった。

著者の解説では、馬融(ばゆう)は「『わが友』というのは顔淵(がんえん)のことだ」と曰(い)っている。曾子の亡友の中で顔淵でなければこれにあてはまる人がいないのである。と書かれていました。

顔淵(がんえん)は、単なる学問の弟子にとどまらず、孔子の教えの真髄を理解し、実践しようと努めた理想的な弟子で、孔子からも高く評価され、後世には復聖(ふくせい)として崇敬された人です。知識や能力に驕らず、常に学び続け、他者を尊重し、争いを避けるようにしたいと思いました。

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