子曰はく、道(みち)に志(こころざ)し、徳(とく)に拠(よ)り、仁(じん)に依(よ)り、藝(げい)に游(あそ)ぶ。
(訳)人が人として日々(にちにち)行うべきものが道である。これを知って心が必ずこれに向かうならば、邪道(じゃどう)に惑(まど)うようなことはない。道を行って心に悟(さと)り得たのが徳である。徳を執(と)り守って失わなければ、常に心が道に叶(かな)って、一日一日と徳が進歩するものである。私欲が全(まった)く尽きて心の徳が完全になったのが仁(じん)である。仁に依(よ)り附(つ)いてはなれなければ、いかなる場合にも道に外(はず)れることがなくなる。道に志し徳に拠(よ)り仁に依(よ)れば学問の根本が確立したのであるが、更に藝(げい)に游(あそ)ぶ時は、事々物々の道理を窮(きわ)めて、日常の務めを十分に尽くし、本心を失うようなことがなくなる。
著者の解説では、学問は志を立てるのが第一である。道に志せば心が常に正しくて他に向かわない。徳に拠(よ)れば道を心に得て失わない。仁(じん)に依(よ)れば徳性(とくせい)が常に働いて私欲が行われなくなる。藝(げい)に游(あそ)べば小さな物も遺(のこ)さないで、動くにつけ息(やす)むにつけ、徳性を養うものである。と書かれていました。
志によって目標を定め、実践によって得た学びを心のよりどころにし、思いやりを心の中に行動をし、教養を得ることに熱中する、その様でありたいと思いました。


