アキヒロ号のブログ
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本の紹介

雍也第六(17)

子曰はく、人(ひと)の生(い)くるや直(ちょく)なり。之(これ)を罔(な)みして生(い)くるや幸(さいは)ひにして免(まぬか)るるなり。

(訳)人が生きているには生(い)きておるべき道理がある。この道理は直(ちょく)といって、仁義(じんぎ)礼智(れいち)等の本心が自然に発露(はつろ)して曲げられることが無いのを謂(い)うのである。もしこれを無視して直(ちょく)でないならば、生きているべき道理を失って生を全(まっと)うすることができないはずである。しかるになおよくその生命を保つ者は、幸いに死を免れたのである。

著者の解説では、直(ちょく)は天下一般に認むる好悪(こうお)に従って私心を用いない意味にも解するが、ここには惻隠(そくいん)・辞譲(じじょう)・羞悪(しゅうお)・是非(ぜひ)等の本心が自然に発露(はつろ)して曲げられるところのない意味に解した。と書かれていました。

惻隠(そくいん)とは、他人が困窮しているのを見て、自分ごとのように感じて同情し、心を痛める気持ちのこと。辞譲(じじょう)とは、へりくだって他人に譲り合うこと。羞悪(しゅうお)とは、自分や他人の悪い行いを恥じ、これを憎む心のこと。是非(ぜひ)とは、物事の正しさや善悪を表す名詞です。素直に生きて行こうと思いました。

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