ロルフ氏の思考の道具その32はこちらです。
①学者ボエティウスの最後の著作『哲学の慰め』
②「つらい状況を乗り切る」ための四つのアドバイス
③考え方の選択は、人間に残された最後の自由
それでは各項目を見て行きます。
①学者ボエティウスの最後の著作『哲学の慰め』
当時四〇歳前後だったボエティウスは、社会的に成功した高名な知識人だった。だが彼は、テオドリック王への反逆に与した嫌疑をかけられ拘束された。牢獄でボエティウスは、最後の著作となった『哲学の慰め』を書きあげ、投獄から一年後、死刑を執行された。この『哲学の慰め』では、投獄され、死刑の執行を待つだけの絶望したボエティウスのもとに、突然、古代の魅力的な「哲学」が女性の形となって現れる。彼女は、ボエティウスに世界について説明し、彼が置かれている絶望的な状況と折り合いをつけるための「思考の道具」をいくつか授けてくれる。
②「つらい状況を乗り切る」ための四つのアドバイス
- 「運命の輪」に乗って成功を手に入れたければ、いつかはまた運命が下り坂になるのを受け入れなくてはならない。
- あなたが所有しているものも、大事にしているものも、愛しているものも、すべては永遠でないと理解しておくこと。
- ボエティウスのようにすべてを、あるいは多くのものを失ったとしても、あなたの人生にはよいことのほうが多く(そうでなければ失ったものを惜しまないだろう)、よいことにも負の要素はつきものだったことを忘れないこと。
- あなたの思考や、思考の道具や、不運や損失や状況の悪化に対する精神的な対処法だけは、誰もあなたから取り上げられない。
どれも、哲学の一派であるストア派の原理だ。
③考え方の選択は、人間に残された最後の自由
世界は厄介ごとや偶然に満ちていて、ときに私たちの人生を混乱させる。幸せかどうかは、高級車や、社会的地位や成功を手にすることや、銀行口座の額で決まるのではない。幸せはあなたの「精神的な砦」の内側にある。
毎日ロルフ氏の言葉に助けられているような気がします。つらい状況になったら、この本のことを思い出して、自分の精神的な砦の内側を充実させたいと思います。