ロルフ氏の思考の道具その50はこちらです。
①私たちには「世界を変える力」があるのか?
②「フォーカシング・イリュージョン」と「意図スタンス」
③出来事の背後には必ず「誰かの意図」があるのか?
④歴史をつくった「人物」などいない
それでは各項目を見て行きます。
①私たちには「世界を変える力」があるのか?
現代の地球の住人である私たちは、自分を単なる世界の住人としてではなく、むしろ世界を形づくる鍛冶屋のように思っている。そして、自分自身の人生を変えるだけでは物足りないとばかりに、実際に世界を変える活動に着手する。
②「フォーカシング・イリュージョン」と「意図スタンス」
「あることについて集中して考えているあいだはそれが人生の重要な要素のように思えても、実際にはあなたが思うほど重要なことではない」。世界をよりよくするためのプロジェクトにのめり込んでしまうと、その意図は実際よりずっと大きく見える。「変化が起きる際には、必ず誰かの意図が働いている」。実際に誰かの意図が働いているかどうかはどうでもよい。世界的な変革は、まさにその変化をもたらそうとした「誰かの意図が働いた」からこそ起きたと私たちは考えがちだ。
③出来事の背後には必ず「誰かの意図」があるのか?
誰かの意図とは無関係に起きた出来事に対しても、誰かの意図やその出来事の背後にいる誰かの存在を感じてしまう。マット・リドレーは、著書『進化は万能である』の中で、「私たちには、たまたまタイミングよくその場所にいた聡明な人物を、褒めたたえすぎる傾向がある」。と言う「偉人」論を展開している。
④歴史をつくった「人物」などいない
歴史上の「重要人物」は、当時起こった出来事の登場人物のひとりにすぎない。「偉人」崇拝をしないのも、よい人生の条件のひとつである。いうまでもなく、あなた自身が「偉人」になれるかもしれないなどという幻想を抱かないようにすることも。
現在NHK大河ドラマで放送されている「徳川家康」。家康は天下統一し、日本を一つにまとめた人物ではあるけれど、いろいろな所で躓きながら、家族や家臣や運によって生き延びてきた人です。結果として、江戸幕府を開府できたと思いますが、当時の日本のさまざまな要因によって結果的に江戸幕府が開かれたということであり、そういった視点で大河ドラマを見ると面白いかと思いました。