いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。
先日、地域の図書館で島田荘司先生が描く「御手洗潔シリーズ」の新しい長編が出ていることに気づき、早速借りてきて読みました。
そのタイトルは「ローズマリーのあまき香り」です。
島田荘司先生の作品を読むときには、いつも興奮してワクワクするのですが、今回も例のごとくで、図書館で見つけた先から早く読みたくて仕方がありませんでした。
本作では、御手洗潔が日本の横浜から脳研究の最先端を行くスウェーデンのストックホルムに移住して後の物語で、なのでワトソン役は石岡さんではなくジャーナリストのハインリッヒ・シュタインオルトさんが勤めていました。
物語は、フランチェスカ・クレスパンという不世出のバレリーナが、アメリカNYのマンハッタンにおいて、バレエ公演中の控え室で殺害されるところから始まり、ニューヨーク警察の調査によると、それが密室で行われ、さらに死亡推定時刻以降も、殺害された本人が舞台で踊っていたという、摩訶不思議な事件をめぐるものです。
この事件の10年後、映画になったこの事件の映像を、ハインリッヒに見せられた御手洗潔が、この難解な事件に挑むことになり、ナチスの強制収容所における人体実験、戦争が起きるメカニズム、ユダヤ人と日本人の関係などを描きながら、解決までに至る長編の本格推理小説でした。
この中で特に、ユダヤ人と日本人の関係では、日本の祭りで使われる掛け声が、古代ヘブライ語と同音同義であったり、「三種の神器」を持つ民族が、世界中でイスラエルと日本だけであると言うことを知ることができ、興味が沸きました。
作品の中心がロックフェラーセンターになっていることもあり、ユダヤの歴史についても触れていて、知識が深まりました。