最近、外食の値段が上がったと感じることが増えました。かつて普通に頼んでいたメニューが、いつの間にか100円、200円高くなっている。家計のやりくりを少し見直すと、食料品や光熱費なども含めて、「昔の感覚のままでは済まない」時代になっています。

物価高を実感するきっかけは、人によって違うと思います。私の場合は、サイゼリヤの値上げです。これまで比較的安さを守り続けてきたイメージのあるサイゼリヤが、2026年10月29日からメニュー全般を平均6%値上げしました。看板の「ミラノ風ドリア」は300円から320円になりました。全国規模での値上げは約6年ぶりだそうです。

「たった20円か」と思うかもしれません。しかし、この20円には、原材料費やエネルギーコスト、人件費といった、外食業界全体が抱えるコスト上昇が反映されています。サイゼリヤ自身も、食材の不足や原価上昇を吸収できなくなったことを値上げの理由として説明しています。

ここで大切なのは、値上げを嘆くだけではなく、自分の資産も同じように時間とともに変化させる必要があるということです。現金のまま置いておくと、物価が上がるほど同じ金額で買えるものは減っていきます。だからこそ、長期的な視点で株式や投資信託などに分散して資産を育てることは、インフレに対する一つの備えになると考えています。

なぜ投資なのか

現金・普通預金は安全性が高い一方、金利がインフレ率を下回れば、実質的には目減りします。だからこそ、長期の資産形成では「使う予定のないお金」を、成長が期待できる資産にも分散しておく考え方が重要です。

資産インフレへの向き合い方ポイント
現金・預金短期の生活資金や緊急資金に向く安全だが、インフレで実質購買力が下がりやすい
株式・投資信託企業の利益成長や値上がりを通じて、長期的な購買力低下への備えになり得る短期では大きく下落することもある

重要なのは、「インフレだから全部株にする」ではなく、生活防衛資金を確保したうえで、長期・分散・積立で投資することです。

投資で備える際の原則

  1. まず生活防衛資金をつくる
    収入が途絶えても生活できる程度の現金を確保します。
  2. 投資は長期資金で行う
    数年以内に使う予定のあるお金は、株価変動リスクを負わせない方が安全です。
  3. 積立・分散を基本にする
    一度に大きな金額を投入するより、毎月定額で買う積立投資の方が、価格変動への心理的負担を減らしやすいです。
  4. インフレに強い可能性のある資産も意識する
    企業の利益を享受できる株式、幅広い銘柄に分散できる投資信託などを、目的とリスク許容度に応じて検討します。
  5. 「早く儲ける」より「購買力を守る」を目的にする
    インフレ対策としての投資は、短期的な値上がり狙いではなく、10年、20年の生活設計に組み込むものです。

物価高は、私たちの生活を少しずつ変えています。外食の値段が上がるたびに「仕方ない」と感じるだけでは、将来の購買力は知らないうちに削られていきます。

そのため、現金だけで備えるのではなく、長期的な視点で資産を育てる仕組みを持つことが大切だと考えています。投資は確実に儲かる方法ではありませんが、インフレという静かなコストに対して、将来の自分と家族の生活を守るための選択肢にはなり得ます。

大事なのは、無理のない金額で、長く続けられる形にすること。まずは少額の積立からでも、始めてみる価値があると思います。